車のエンジン・CVTが故障したら修理か売却か、比べる前の確認
結論
直すか売るかを決める前に、まずリコールや保証の対象かを確かめてください。リコールは、メーカーが無料で車を回収して直す制度です。
対象でなければ、修理の見積もりと査定額をそろえて比べます。見積もりは、新品の部品と、再利用の部品(リビルド・リユース部品)の両方で出してもらえるか聞いてください。
15年以上前の車か、15万km以上走った車で、エンジン・変速機・駆動用バッテリーが壊れたときは、見積もりの前に査定額を知っておくと比べやすくなります。
見積もりと査定のどちらを先にするかは、30秒診断で確かめられます。
まず確認: リコール・保証
リコール・改善対策・サービスキャンペーンの違い
メーカーが車の不具合を直すしくみは、3つあります。無料で回収・修理すると国の案内に書かれているのは、このうちリコールです。
- リコール: 国の安全や環境の基準に合わない原因が、設計や製造にあるとき。メーカーが国に届け出て、無料で回収・修理します。
- 改善対策: 基準には書かれていないものの、安全や環境の面で放っておけない不具合のとき。
- サービスキャンペーン: 上の2つに当たらず、安全や環境に直接は関係しない不具合のとき。
対象かどうかの確かめ方
対象になると、ふつうはメーカーからはがきなどで知らせが届きます。届いていなくても、次の方法で確かめられます。
- メーカーのサイトで、車検証にある車台番号(しゃだいばんごう。1台ごとの番号)を入れて調べる。
- 買った販売店に聞く。
国土交通省の検索は、対象を車台番号の幅で示していて、対象にならない車も含まれることがあります。そのため国土交通省は、1台ごとの確認はメーカーに問い合わせるよう案内しています。
メーカーの保証
トヨタの例では、保証が2つあります。
- 特別保証: 新車の登録日から5年か10万kmの早い方まで。エンジン、変速機など動力を伝える部分、ブレーキ、ハイブリッドのしくみなどが対象です。
- 一般保証: 新車の登録日から3年か6万kmの早い方まで。ほとんどの部品が対象です。
保証期間の中で、保証の条件に当てはまれば、無料で保証修理を受けられます。条件は、取扱説明書どおりに使い、決められた点検・整備を受けていることなどです。これはトヨタの場合の決まりで、保証の中身や期間は車種で違うことがあります。ほかのメーカーの車は、手元の保証書で確かめてください。
修理か売却かを比べる表
金額は車や店で大きく変わるため、この表には載せていません。比べる順番と、見るところだけをまとめています。「トヨタの例で入る保証」の列は、トヨタの保証のページで確かめた内容です。
| 部位 | トヨタの例で入る保証 | 見積書で確かめる項目 | 比べ方 |
|---|---|---|---|
| エンジン | 特別保証(5年か10万km)。エンジン機構 | 部品が新品か再利用か、工賃込みか、税込か | 15年以上前か15万km以上なら、査定を先に受けても比べやすい |
| 変速機(CVT・AT) | 特別保証(5年か10万km)。動力伝達機構(オートマチックトランスミッション・トランスアクスルなど) | 同上。変速機ごと替えるのか、一部の修理か | 15年以上前か15万km以上なら、査定を先に受けても比べやすい |
| 駆動用バッテリー | 特別保証(5年か10万km)。ハイブリッド機構(ハイブリッド車) | 同上 | 15年以上前か15万km以上なら、査定を先に受けても比べやすい |
| 電装など | エアコンやナビなどは一般保証(3年か6万km)。エンジンなどを動かすコンピュータは特別保証 | 同上 | 14年前までの車なら、見積もりを先に取ってから決めても遅くない |
| 足回り・ブレーキ | サスペンションアームなど(前後アクスル機構)とブレーキ機構は特別保証。ブレーキパッドなどの消耗部品は一般保証の対象外 | 同上 | 14年前までの車なら、見積もりを先に取ってから決めても遅くない |
どの部位も、先にリコール・改善対策・サービスキャンペーンの対象かを確かめてください。ほかのメーカーの車は、保証書で部位ごとの保証を確かめてください。
30秒診断で見積額を入れると、見積もりと査定のどちらを先にするかの目安が出ます。
比べる手順
- リコール・保証を確かめる。 対象なら、まずそちらで直します。
- 見積もりを取る。 新品の部品だけでなく、リビルド部品やリユース部品でも見積もれるか聞きます。
- 査定を受ける。 故障していることを伝えたうえで、査定額を出してもらいます。
- 何年乗るかも入れて比べる。 直したあと、あと何年乗るつもりかも、比べる材料になります。
リユース部品は、使い終わった車から外した部品を、点検と清掃をして売る部品です。リビルド部品は、外した部品を分解し、傷んだところを新品に替えて組み直し、検査した部品です。
見積もりを先に取る価値があるケース
次に当てはまるなら、見積もりを取ってから売るかを決めても遅くありません。
- 比較的新しい車(9年前まで)が故障した。 保証やリコールの対象になっていないか、先に確かめる価値があります。
- 故障が電装や足回りだけで、14年前までの車。 部位によっては、直して乗り続ける道も比べられます。
- 急いで手放す予定がない。 見積もりと査定の両方をそろえてから比べられます。
先に査定を受けても比べやすいケース
- 15年以上前か15万km以上の車で、エンジン・変速機・駆動用バッテリーが壊れた。 年式や距離によっては、修理の範囲が大きくなることがあります。見積もりの前に査定額を知っておくと、比べやすくなります。
- 車が動かない。 動かない車でも、電話で車の状態を伝えると、査定額を出してくれる業者があります。
- 見積額が大きく、15年以上前の車。 見積額と査定額を並べ、直したあと何年乗るかも入れて比べてください。
損傷が大きいとき
水につかった、エアバッグが開いた、事故で大きく壊れた。こうした車は、部位ごとに修理と売却を比べるだけでは判断できません。損傷の程度の見分け方は、売るか廃車かの判断の「事故の程度の境目」を見てください。
見積書で確かめる項目
見積書を受け取ったら、次の3つを見てください。
- 部品が新品か、リビルド部品・リユース部品か。
- 工賃(作業の代金)が入っているか。
- 税込の額か。
条件をそろえないと、査定額と正しく比べられません。
部位ごとの注意
エンジン、CVT・AT、駆動用バッテリーなど、車種ごとの確認点は車種の記事で扱います。
故障車を売るときの申告
わかっている故障は、査定のときに伝えてください。故障を伝えたうえで出た査定額でないと、見積もりと正しく比べられません。
修復歴や事故歴については、国民生活センターが、知っている場合は査定のときに申告するよう呼びかけています。そのうえで、査定額で契約したあとに、修復歴や事故歴を見落としたとして減額や解約を求められても、応じる必要はない、としています。
車の売却は、クーリング・オフの対象外です。契約の前に、キャンセル料がいくらか、いつから発生するかも確かめておきましょう。
直さないと決めたら
廃車にするときの税金や保険の戻り方は、売るか廃車かの判断の「お金の出入り」にまとめています。
30秒診断
故障の部位、年式、距離、見積額を答えると、見積もりと査定のどちらを先にするかの目安がわかります。ほかの手続きの記事は売却・廃車ガイドにまとめています。
出典
- 国土交通省「自分の車がリコールになっているか知りたい」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/carinf/rcl/faq_sub/answer007.html (確認日: 2026-09-27)
- 国土交通省 自動車不具合情報ホットライン「リコール制度」 https://renrakuda.mlit.go.jp/renrakuda/report.html (確認日: 2026-09-27)
- 国土交通省「リコール届出のほかに同様なものがありますか」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/carinf/rcl/faq_sub/answer005.html (確認日: 2026-09-27)
- トヨタ「特別保証」 https://toyota.jp/after_service/support/special/index.html (確認日: 2026-09-27)
- トヨタ「一般保証」 https://toyota.jp/after_service/support/general/index.html (確認日: 2026-09-27)
- 日本自動車リサイクル部品協議会「リサイクル部品とは」 https://www.japra.gr.jp/recycling (確認日: 2026-09-27)
- カーネクスト「サービス」(電話での査定の記載) https://carnext.jp/service/ (確認日: 2026-09-27)
- 国民生活センター「車を売る際は要注意!中古車の売却トラブル」(2024-06-18) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20240618_1.html (確認日: 2026-09-27)
出典の確認日: 2026-09-27